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1938年、ミラノにおいて新たな方式のマシンが考案されました。クレモネシ(Signore Cremonesi)氏が特許を取得したこのマシンは、レバーを水平方向にグルグルと回転させると、スクリューのようなピストンが回転しながら下降し、密閉されたお湯をコーヒーの粉に向けて押し出す方式でした。 つまり、これまでのマシンでは蒸気がお湯を押していたので、圧力を上げるほどお湯の温度も上がってしまうという難点がありましたが、クレモネシ氏のマシンではピストンがお湯を押すので、沸点以上にお湯を加熱することなく、圧力をかけてコーヒーの粉に向けて押し出すことが可能になったのです。 同年、ミラノでカフェを経営していたガジア(Achille Gaggia)氏は、既に普及していた既存の蒸気圧マシンを改造してピストン式マシンにするアタッチメントを考案し、特許を取得しました。ガジア氏はクレモネシ氏の死後にその特許を入手し、ピストン式マシン自体の改良を続けました。そうして1947年に本格的なコーヒーマシン製造会社としてガジア社を設立したガジア氏が世に送り出したのが、バネ式レバーを用いたピストン式マシンでした。 レバーを引き上げると、ピストンが上に引き上げられ、ピストンの下部にボイラーのお湯が流入します。ピストンが持ち上げられる際にバネが圧縮されますが、テコの原理を応用しているレバーなので、それほど力は必要ではありません。そして、テコとバネの力を利用してレバーを一気に押し下げると、ピストンが押し下げられ、流入したお湯を閉じこめてコーヒーの粉に向けて一気に押し出すのです。 クレモネシ氏のピストン式マシンの発明により、お湯の温度の調整が抽出圧力に関係なく行えることになったのに加え、ガジア氏のレバーピストン式マシンの発明により、抽出圧力についても10気圧近い高圧をかけつつ微妙なコントロールが可能になりました。 ガジア氏のレバーピストン式マシンは急速に普及し、現在のマニュアル式エスプレッソ・マシン(パボーニ社のマシン等)の原型となっています。