伝統的なイタリア系エスプレッソ飲料に対して、シアトル系エスプレッソ飲料の特徴は、その飽くなき好奇心と健康志向にある。ホイップクリーム、チョコレート、様々な香辛料、フレーバーシロップ、アイスクリームなどの副材料に手を広げ、シアトル系エスプレッソ飲料は無数の組み合わせでメニューを増やしてきた。その中でも、大量のミルクの使用、低脂肪乳や無脂肪乳や豆乳の使用、低カロリー甘味料の使用、デカフェ(カフェイン抜き)のコーヒー豆の使用などは、消費者の健康志向を反映している。
シアトル経由で日本に普及しつつあるエスプレッソ系飲料は、きっと日本でも独自の進化を遂げるに違いない。日本的で健康的な飲料といえば、誰もが思いつくのが緑茶である。私もいろいろ試してみたが(失敗談については第4話参照)、次第に緑茶や抹茶をアクセントに用いたメニューを店頭でも見かけるようになった。面白い。もっともっと、独自の進化を見せてほしい。
しかし、他に日本的で健康的な清涼飲料と言えば何があるだろう。もしそれがシアトルにあれば、きっとどこかのカフェのオーナーがメニューに採り入れているだろうが、まだシアトルの人たちは知らないもの。日本人なら誰もが知っているが、まだ誰もエスプレッソ系飲料に入れようという好奇心を抱いたことのないもの…。
帰宅途中の地下鉄の中でぼんやり考えていた私は、そこで突然天の啓示を受け、駅からダッシュで家に飛んで帰ると、早速実験にとりかかった。
アイス用のおしゃれなグラスがないので、とりあえず白ワイン用のグラスを取り出す。最近飲まれずに冷凍庫の中で眠っていた青汁のパックを取り出し、解凍して1ショット(30ml)をグラスに注ぐ。風味付け(青汁の風味抑え)と甘味付けを兼ねてバニラ風味のフレーバーシロップを半ショット(15ml)ほど注ぐ。軽くかき混ぜて、その上から冷たいミルクを200mlほど、出来るだけゆっくり注ぐ。最後にダブルショット(60ml)のエスプレッソをさっと回しかける。名付けて「アイス・ケール・ラテ」、通称「アイス青汁ラテ」の出来上がり!
 アイス・ケール・ラテ (アイス青汁ラテ) |
さすが天の啓示を受けただけあって、ぶっつけ本番でつくった割には見た目のバランスもよい。取り急ぎデジカメで撮影した後、ゆっくりかきまぜながら味わった。混ぜると色彩的には悪くなるが、味は悪くない。アイス・バニラ・ラテと余り変わらない、というか、むしろバニラシロップの甲高いばかりの風味が抑えられて落ち着いている。これだったら青汁が苦手でも大丈夫である。(その後青汁をダブルショットにして再度つくってみたが、これだと青汁が苦手な人にはつらいかもしれない。)
次の楽しみは、青汁を解凍させないままエスプレッソやミルクと一緒にミキサーにかけた「ケール・シェケラート」、通称「青汁シェイク」の美味しいレシピを見つけること。しばらくは楽しめそうである。
(なお、ホットのドリンクについては美味しいものができそうな予感がしないので試していません。好奇心のあるあなた、もし意表を突いて素晴らしいドリンクが出来たら、その発明の栄誉はあなたのものです…。)