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コーヒー豆の品種には主に「アラビカ種」と「ロブスタ種」がある。「モカ」「キリマンジャロ」「ブルーマウンテン」などの銘柄豆は、いずれもアラビカ種の豆である。 ロブスタ種の豆は病害虫に強く収量も多いので経済性が高い。しかもコクがあって力強い味がする。しかしその反面、鈍くて重い味がするという側面もあり、高級品とはみなされていない。単独で売られることは少なく、インスタントコーヒーや缶コーヒーの材料に多く使われている。 イタリアでは、エスプレッソ用の豆にコクと力強さを与えるという観点より、ロブスタ種の豆をブレンドしている店も少なくないが、アメリカや日本では、ロブスタ種を敬遠してアラビカ種の豆だけをブレンドすることが多い。最近はインスタントコーヒーや缶コーヒーにも「アラビカ豆100%使用」を宣伝文句にする製品が増えてきた。 飲み比べてロブスタ入りブレンドの味が口に合わないのであれば、それで全く構わない。しかしアメリカや日本には「ロブスタ=安物=まずい」「ロブスタ入りブレンド=混ぜもの」という先入観からロブスタ種を頭から否定する人もいて、もったいない。 和食のだしには様々な種類があり、削り節にも鰹節(かつおぶし)と鯖節(さばぶし)など様々なものがある。鰹節のだしは上品な澄んだ味が魅力で多くの料理で用いられている。鯖節は値段は安いが単独では鈍くて重い味のだしになってしまい、余り用いられていない。しかし、例えばそばつゆを作る際には鰹節と鯖節の合わせだしを使うことが多い。そばの強い香りに負けないコクと力強さを与えるためには少量の鯖節によるアクセントが欠かせない。 合わせだしより純粋な鰹節のだしが好きだという人は多いだろう。それでも「安物の鯖節を混ぜたそばつゆを作るのはやめた方がよい」とか「このそば屋のめんつゆは鯖臭がする」とか言う人には出会ったことがない。余りにも当たり前で誰もそんな事を考えたことがないのか、あるいは当然のこととして日本人の味覚に受け入れられているのか。 個々のそば屋に自慢のつゆがあるように、エスプレッソの味も店により異なる。頭の中の知識で選択肢を狭めず、自分が飲んで美味しいと思うかどうかを大切にしたい。