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エッセイ・エスプレッソ


第15話 続・抹茶エスプレッソ


 日本橋を歩いていたら「新登場!! 気軽に行ける抹茶CAFE」というビラを配っている人がいた。メニューの「抹茶エスプレッソ」という文字を見て、米国西海岸で抹茶を「オチャ・エスプレッソ」と銘打って出している店のこと (第4話参照) を思い出し、ふらりと立ち寄ってみた。


お店の写真
場所は百貨店の向かいの海苔屋の裏通り

 この店の言う「抹茶エスプレッソ」とは、抹茶をデミタス(エスプレッソ用の小さなカップ)に入れて出しているもの。平たく言えばただの抹茶であり、抹茶をエスプレッソ・マシンにかけた訳でも、エスプレッソ・コーヒーと抹茶を混ぜた訳でもない。カウンターの中では、抹茶とお湯を電動式のハンドミキサーで攪拌して作っているようである。

 じゃあ何故「抹茶」でも「お茶エスプレッソ」でもなくて「抹茶エスプレッソ」なの、という気もするが、まあ理屈はともかく、出てきたものは分量といいデミタスといい、表面が泡立っているところなど、エスプレッソと言い得て妙である。この店ではお茶自体に甘みのある抹茶を使っているので、そのまま飲んでもよいし、砂糖を入れて飲んでもよい。


抹茶エスプレッソと抹茶オ・レ
抹茶エスプレッソ(左)と抹茶オ・レ(右)

 5年前だったら「エスプレッソ」自体の知名度が低かったので、抹茶のことを「抹茶エスプレッソ」と呼ぶこともなかっただろう。エスプレッソになぞらえた商品が登場することは、本来のエスプレッソに対する誤解を与える危険性も若干あるが、それだけエスプレッソがメジャーな飲み物になってきた証明でもあるのだろう。

 ちなみに、この店の「抹茶オ・レ」はカフェラテと同様にスチームで泡立てつつ温めたミルクを注いだもの。抹茶の味がミルクの味に隠れてしまっていたので、抹茶ダブルをメニューに加えるか、できればミルクの割合を少なくしてミルクフォームの割合を多くした「抹茶カプチーノ」をメニューに加えて欲しいと思った(抹茶の粉を軽く上から振りかけたりして…)。

 この店の「抹茶アメリカン」は抹茶をお湯で割ったもの。エスプレッソ・チェーン店でもカフェ・アメリカーノの認知度は余り高くないようだが、はたして「抹茶アメリカンって普通のお茶とどう違うの」と思う客にどれだけ違いをアピールできるだろうか。近辺に主要エスプレッソ・チェーン店が3店もある激戦区で、コーヒーとお茶の差別化がどこまで受け入れられるか、気になるところである。

 10年前はお茶や水をお金を出して買うことなど考えもしなかったが、今では缶入り・ペットボトル入りのお茶や水はすっかり定着してしまった。それにひきかえ、喫茶店ではコーヒーで何百円もとる店はあっても、お茶で勝負している店はほとんどない。今後、お金をとれるような美味しいお茶を飲める店がもっと増えて欲しい。


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